8月3日 EPISODE1: レインマン
AM5:30頃、目が覚めた。また、雨が降っていた。昨日はあんなに晴れてたのに。
また、雨だ。やっぱ、俺は雨男らしい(といっているが、そんなこと言ってたら、ここに来ている人達みんなが雨男だ。)。
今日の予定も釣りだ。
しかも、こんな時間に起きてもこんな田舎じゃ、G.Sは開いていない。
外の雨を見てブルーになってしまった。
ああ、この雨じゃ、レインスーツ着て釣りだな。
ったく、天気ばかりはどうしようもない。
しょうがない、もう一回寝ることにした。
ツーリング3日目で 天気は1勝2敗だ。負け越している。
やっぱり俺 は「雨男」。かっこ悪いので「レインマン」にする。
(ん~~前向きだ。。)
8月3日 EPISODE2:晩メシのオカズはテメェらだ!
2度寝して目が覚めたのはAM10:00を過ぎた頃だった。このままうだうだ していてもしょうがないので、2日目の釣りに出かける用意をした。
外の雨は ますますひどくなっていた。レインスーツに身を包み、単車にまたがりGSに向かった。
GSで燃料を入れた後、鴛泊港に向かった。
あまりの雨のひどさに、またもや、おかしくなってきた俺は、着くや否や、500mlの飲み物を2本買い込みどしゃぶりの中、長期戦を決心した。
とりあえず、荷物に雨がかからない場所を探したところ、壊れたボートが置いてあり、その下なら荷物が置けるスペースがあった。そこに釣り道具を広げ、釣り始めた。
場所はフェリーターミナルだ。釣りえさは札幌で買ってきたイソメであり、6箱持ってきたうちの2箱が残っていた。
「おっしゃ、生きもいいようだし、残り2箱でがんばるか!」
と気合を入れて釣り始めた。。。。。。が、しかし、まぁ~~~ったく釣れない。
そこに追い討ちをかけるようにフェリーが入ってきた。普通のフェリーじゃないようだ。
名前は「六甲エクスプレス」。あ、あやしい。
SHOT6: 六甲エクスプレス
そんな名前を見た俺の頭の中には、「六甲おろし」が
。。。。。。流れるはずっだったのだが。。。。。。
「やぁ~~~ま、はぁ~、しろぉ~~がねぇ~♪
あ~さひを、あぁ~~びぃ~~てぇ~~~♪」
が響き渡る。だ、駄目だ、また昨日と同じ状態だ。
何度「六甲おろし」を思い浮かべても、
「やぁ~~~ま、はぁ~、しろぉ~~がねぇ~♪
あ~さひを、あぁ~~びぃ~~てぇ~~~♪」
になってしまう。こ、これって、もしかして。嘉門達夫の影響か?!
だれか、コードを調べてくれ!! などど言っているうちに「六甲エクスプレス」は去っていった。
よっしゃ、再開だ!
再び、釣りを始めたがさ~~っぱり釣れん。どしゃぶりの雨に打たれながら飲み物を片手にボーッとしていた。すると、後ろのほうでカラスが5,6匹 群がっている。俺は
「うるせぇな。何食ってんだ?」
と思いながら、しばらくボーッとしていた。そこでふと我にかえった。
「あれ?あそこって、 俺の単車のそばだよな?
なんか、食い物なんかあったっけ?」
と考えていくうちに
「はっ?! え、えさ、つ、つつつ、釣りえさぁ~~~~~!!」
とやっと気づいた。
しかし、時既に遅し。カラスはいなくなっており、よぉ~~~くみると、そこには。。。。。。
えさ箱の残骸が。。。。
しかも、一匹残らず奇麗に。。
「あ”~~~~、なんてこったぁ!!最後のえさなのに!!!」
かなり、だうぅ~~~~んとしてしまった。
えさを置くときに、カラスにやられないようにリュックの下に隠したはずなのだが、奴等は引っ張り出していたのだった。
そこに戻って見てみると、な、なんと! あと1箱残っていた。
「た、助かった。これでなんとかなる。」
と思い、まったく、当たりもなく、くそいまいましいカラスどものいる鴛泊港を去る事にした。
俺はこころの中で叫んだ。
「このアホカラスども、今度現われたらぶちのめす!
晩メシのオカズはテメェらだ!!」
でも、あっさり、えさをくわれちゃった俺の方がアホかも。。。
8月3日 EPISODE3: 再び
AM11:30頃、鴛泊港をあとにして、昨日、爆釣だった沓形港へ向かうことにした。
雨はまだ降っている。この雨では、さすがに昨日のお子様も来ないだろう。
ちょっと、嬉しくなりながら沓形港についた。
「あ、あれ、晴れてる。」
なぜか沓形港につくと晴れていた。「おお、ついてるぜ!」と思いながら、 竿を出し、釣りを始めた。20~30分待ったが、全く、当たりが来ない。
海の中を覗いてみると海草が全く動いていなかった。
どうやら、今日は潮の流れが悪いようである。
これでは釣れないのは納得できるが、とりあえず、ボーッとしたかったのでそのまま続けることにした。
だが、待っても当たりが全然来ない。しかし、めげずに
「あ~、来ないかなぁ~、来ないかなぁ~」
と心の中で連発していた。すると。。。。。
「よぉ!」
は?!
俺は振り返った。
き、来たぁ~~~~~~~!!!!!
まぁ~~~~た、あのお子様だぁ~~~~~!!!
さぁ~~~いあくだぁ~~~~!!!!!!!
なんと来たのは「当たり」ではなく、「お子様」だったのである。
俺は倒れそうになった。また、あのお子様の相手をしなくてはならない。
お子様は当然のごとく昨日と同じ事を何度も繰り返す。
「おっちゃん、なに釣れた?」
「どのくらいだ?」
「なんの魚だ??」
「おっちゃん、あっち側になげると釣れんだぞ!」
「あの竿ひいてんじゃねぇか??」
「この竿、上げてみたほうがいいんじゃねぇの??」
「あそこの竿、俺が使ってやろうか??」
・
・
・
さすがの俺も、とうとうキレた。
「お前、うるさいんだよ!!」
と一撃をかますとお子様はしばらく黙っていたが、また、さっきと同じ事を何度も繰り返す。
俺はこのお子様は喋ってないと死んでしまうのか?とも思った。
んでもって、いつも釣り人に付きまとっているような感じだったので、ちょっと、かわいそうかなと思ったが俺はお子様に聞いてみた。
「お前さぁ、友達いないのか?夏休みだってのにさぁ。。。
俺の邪魔しないで、遊びに行けよ!」
と聞いてみた。するとお子様は、 「いねぇ。」 と一言。
かわいそうだが、俺は妙に納得してしまった。 「こんなんじゃ、、、、、、、」って。
まあ、ちょっとかわいそうだったので、またしばらく相手をしてやった。
するとお子様はまたもや、マシンガンのように繰り返し喋り始めた。
俺は「もう、だめだ!これ以上は相手できねぇ!!」と思い、
「おっちゃん、帰るわ。」と言い荷物をまとめて単車に積んだ。
するとお子様は「じゃあな、オッチャン。」と言い残し去っていった。
お子様が去ったからと言って、再度、そこで釣りをする気にはなれなかった。
なぜなら、どうせ、あのお子様が舞い戻ってくるに違いないからである。
それにしても、あのお子様は今まで見てきた中で、
「最強のお子様」だった。
去年のお子様が霞んでしまうほどの強烈なお子様である。
見た目と中身があんなに一致しているお子様は奴以外にいない!と俺は断言する。
これから旅に行く人は注意した方が良い。どこにでもこういうのは出没する。
旅先で近寄ってくるお子様には猛注意だ!!
ちょっとしたことで、せっかくの楽しい旅もだいなしにしてしまう
「お子様に注意!!」
8月3日 EPISODE4: ギリギリ
PM2:30頃、沓形港を後にした。今日は、さぁ~~~っぱり釣れない。
やはり、潮の流れが悪いのであろうか。坊主確実ぎみだった。
ちょっと諦め半分ではあったが、今まで言っていない漁港を探してみることにした。
再び鴛泊方面に向かい、鴛泊港をスルーした。
その先を走っていると「鬼脇漁港」というのがあらわれた。
これまた、昨日の新湊同様、さびれた漁港といった感じだった。
「まあ、いいか、どうせ、釣れねんだし。」
と思いながら、漁港に入った。
そこで、ヘニャヘニャになってしまった最後の釣りえさをつけて、最後の投げを行った。
ここも、さぁ~~~~っぱり、当たりが来ない。PM4:00位まで粘ったが、まったく来やしない。
しょうがなく、道具をたたんで帰ろうとしたその時、「リン、リンリン」と鈴の音がした。どうやら、ヒットしたようだ。
ここも根がかりしそうだったので一気に巻き上げてみた。
すると、30cm位のアブラコ(まただが。。)がだった。助かった。
これで今日の晩メシができた。そして、坊主も免れた。
この一匹を最後にさっさと片付けを終えてキャンプ場に戻ることにした。
ちょっと安心した。
「あっぶね! ギリギリだったぜ。」
SHOT7: 本日ギリギリでゲットした食材
8月3日 EPISODE5: ジェットストリームアタック
釣りを終え、今日も長ねぎと若干のつまみを購入した。
今日は帰りがけに利尻温泉に寄った。
買い物袋と釣り道具をツーリングネットで覆った ままにして、温泉にGOした。
温泉に入りスッキリとして単車に戻ろうとした時、なにやら単車の周りに、3匹のカラスがいるではないか!!
俺は油断をしていた。朝やられたばかりなのでもうないだろうと思っていた。
が、しかし、俺の単車の周りには。。。。。。
さっき買ってきたばかりの「えのきだけ」と「ポテトチップスの空き袋」が散乱していた。
しかも、「長ねぎ」もつつかれていた。
なんか、情けなすぎて笑いが込み上げてきた。
「しょうがない、そのままにしといた俺が悪いんだな。。」
と反省した。
が、次の瞬間、単車のシート上に何か見慣れぬ物体があるのに気がついた。
よぉ~~~~く、見てみると。。。。
「う、うっげぇ~~~~、カラスのクソじゃねぇか!!!
なんじゃこりゃ!!!ぶちのめす!あぁ~~絶対、ぶちのめす!!」
ああ、もう、腹の立つこと立つこと!
トリプル・ドムのジェットストリームアタック張りの攻撃だぜ!!!
俺はそんなカラスどもにバイオハザード張りのショットガンをぶっぱなしてやりたかった。
が、しょうがないので一人寂しく、持っていたウェットティッシュで一人拭き拭きと掃除して、ムカつきながらも単車にまたがり、キャンプ場に戻った。
「ちくしょう!今日はカラスにやられまくった!
あったまくんぜ!!まったく!!」
8月3日 EPISODE6: 結構、いいもんだね。
お子様とカラスにやられた俺がキャンプ場へ戻ってきたのがPM6:00頃。
昨日とほぼ同じメニューの晩メシを作った。しかし、今日はちょっとゴージャスだ。
なぜなら、100円ショップのレトルト「カレー丼のもと」と、味噌汁には「えのきだけ」入っているからだ。超貧乏くさいが、これくらいでもたのしめるのがキャンプの良いところだろう。
腹がめちゃくちゃ減っていたので鬼のように晩メシをかっくらった。
満腹である。メシが食い終わり、「ちょっとビールでも飲もうかな。」と思いボーッとしていた。
辺りは暗く、俺のガスランタンの光だけが輝いていた。ふと、あたりを見回すと、俺以外、だぁ~~~れも、ランタンなど使っている人はいなかった。「なぜだろう?ガスランタン禁止とは書いてなかったよな。。。」と思ったが、なんか周りに悪いような気がして、ランタンの火を消し、ヘッドランプの光だけにした。かなり暗いがヘッドランプの光だけでも十分にやっていける。周りをみるとやはりヘッドランプ、もしくは、懐中電灯をつかっていた。今日もゆっくり眠れそうだ。
「今日は色々あったが、これも思い出。よしとしよう。」
などと考えながら、ランタンの光なしでビールを飲みながらボーッとしていたが、無駄な明かりがないのも、なかなか落ち着く。
俺は思った。
「ランタンがないってのも、結構、いいもんだね。」
そして、眠りにつ いた。