8月2日 EPISODE1: 視界良好
目が覚めた。昨日は気づかぬ間に眠ってしまったようだ。時計を見ると AM5:30位。
なぜだかわからんが、ツーリングに来てキャンプをすると必ずと言って良いほど、
この位の時間に目が覚める。とりあえず、キャンプ場は移動せず4日間滞在するベース
として張りっぱなしにすることとした。
SHOT1: ベースキャンプ(雨対策のタープ付き)
顔を洗い歯を磨いて、今日の予定である一人爆釣大会の用意をした。
釣り道具をバックに詰め込みAM6:30にはキャンプ場を後にしていた。
外は晴れている。
快晴だ!
「視界良好」
8月2日 EPISODE2: カメラマン
まずは昨日フェリーが着いた鴛泊港へ行き、観光ホテルが目の前にある堤防で
釣りを始めた。しばらくすると、観光ホテルから、利尻富士をバックに写真をとるため、
観光客が出てきた。すると、
「すいませぇ~ん。シャッター押していただけますか?」
と声を掛けられたので、「いいですよ。」と一枚とってあげた。
すると、あとから、あとから、次々に
「すいませぇ~ん。シャッター押していただけますか?」の連発。
一枚とるたびにその観光客らと会話。
俺の単車のナンバーを見て
「札幌からなの?近くていいね。」(おいおい、そんなに近くない。)
や、釣りしているのを見て
「なんか釣れたかい?私も釣りが好きでよくヘラブナ釣りをやるんですわ。
ヘラブナ釣りってのは.×○△□(プレステじゃないよ。)」
(ああ、始まったよ。ウンチクだ。な、ながい。。)
と落ち着いて釣りもできない。
しかも、ぜぇ~~んぜん釣れない。1時間位たったころ、さっさと移動
することにした。
その前にちょうど観光客が退いた頃、ソロツーリングには欠かせない三脚を
取り出し、一人de記念撮影。
(ソロツーリングライダーなら誰でも経験のあるであろう(?)
「誰か見ていないかどうかを確認しながら三脚で自分を撮る。」
このアホらしさがクセになる。人がいなければ即効三脚が基本。笑)
SHOT2: 利尻 富士と鴛泊港、そして。。。
次のターゲットは沓形港(クツガタコウ)である。
釣り道具をまとめ、沓形港へと向かった。去り際に俺は思った。
「俺はカメラマンじゃねぇっつぅ~~の!」
8月2日 EPISODE3: 餓鬼地獄
沓形港まで、20分程単車を走らせた。沓形港は鴛泊港とは違い
礼文←→利尻間のフェリーがつく港である為、観光客があまりいない。
そのため、やたらと落ち着いて釣りができる。
SHOT3: 利尻富士と沓形港、そして。。。(あんまし、変わりないな。)
そんな沓形港で第一投目。待つこと数分。えらい勢
いで竿に当たりが来た!利尻島の海は岩場がほとんどだと聞いていたので、
根がかりしないように一気に巻き上げた。これがやたらと重い。
挙げてみると35cm~40cm越えのバカでかいアブラコ(アイナメ)である。
いきなりのヒットに感動したが、その後入れ食い。最初のには及ばないが、
30cm越えが3匹ほど、25cm位のが2匹と1時間も立たないうちに6匹も
上がった。しかも、アブラコばかり。即効飽きた。
そうこうしているうちに、KUSOがしたくなった。KUSOをするために竿を
たたむのが面倒だったので、そのままにしておくことにした。そして、
単車に乗ろうとした その時。。。。。。。。。
「おっちゃぁ~~~ん!どこで釣りしてんのぉ~~??
どこ、どこぉ?~釣れたぁ?、どのくらい?」
あ”あ"ぁ~~!!!!!!
き、来やがったぁぁ~~~~!!!
今年も、お子様が来やがったぁ!!!!
やべぇぇ~~!!!!!!!!!!!!!!
そうなのである、去年のソロツーリングで知床の羅臼港で釣りをしていた
ときもお子様が寄ってきて、うるさかった。しかも、一度投げさせてやったら、
根がかりさせやがったのだ。今年も嫌な予感がしてきた。最悪だ。
今年のお子様も、しつこそうだ。しかし、俺はKUSOがしたい。
でも、道具はそのままにしてあったので、お子様にいじられそうな予感がした。
なので、とりあえず、そのお子様に
「おっちゃん、買い物いってくるから見張っててくれないか?」
と切り替えした。するとお子様は
「俺が釣っててやろうか?」
と言ったので、
「ああ、おっちゃん戻るまでは、そこにある一本使ってていいから。
よろしくな!」
と何とかかわした。
とにかくKUSOがしたかったので、即効ターミナルに行きKUSOをぶっ放した。
「す、すげぇ。か、快便だ!」。
ここのところないような、快心の一撃だった。
「あぁ~~~~、スッキリした。ヒュゥ~ヒュ、ヒュ~ヒュヒュ~♪」
俺はお世話になった便所を後にして、店で買い物をしてお子様がいる
釣り場へ戻った。 「ああ、お子様の面倒はみたくない。」と思いながら、
釣り場に行きお子様に買ってきたポケモンスナックとHI-Cピーチをやった。
するとお子様が、
「ええぇ~~?俺、コーラのみたかったのにぃ!」
とのたまいやがった。俺は「このお子様、ぶっとばしてやろうか!」と
思ったがお子様を相手にしても始まらないので、
「飲みたくなかったら、飲むな!」と一撃。するとお子様は「わかった。のむ。」といい
飲み食いし始めた。
ふと、竿をみると、なんと、やっぱし、今年も、ハズレなしで、仕掛けが切れていた。
お子様曰く
「ひっかかっちまった。なんだ、ここは!」
と言いやがった。とりあえず仕掛けを付け直し再度、投げた。
ここから横浜マシンガン打線のようなお子様の攻撃が始まった。
「おっちゃん、あっち側になげると釣れんだぞ!」
「あの竿ひいてんじゃねぇか??」
「この竿、上げてみたほうがいいんじゃねぇの??」
「あそこの竿、俺が使ってやろうか??」
・
・
・
あ”~~~もう、うるせぇ~~~!!
俺はキレそうになった。まあ、他人のお子様なので大目に見ているが、
耐えられなくなってきた。これがもし自分の身内なんかだったら、
いまごろ、ぶっとばしてるところである。
「ああ、このお子様どっか 行ってくんねぇかな。」と思っていると。
「おっちゃん、何時までいるの?」と聞いてきたので、
お子様の相手に飽き飽きした俺は「おっちゃんはもう帰るよ。」と言うと、
「もうちょっと、ここで釣っててもいいぞ!」 だとよ!
一瞬、本気でぶっとばしてやろうかと思った(笑)。
そうこうしているうちに、家族連れがやってきた。釣竿をもっている。
小学生らしい子供がお父さんといっしょにやってきた。
するとお子様は、家族連れの方に食らいついていった。
今度はその家族連れの子供の竿を取り上げ、
「こっち、釣れるから教えてやる!」といって違う場所に移動した。
「ふぅ、助かったぜ!」と俺は胸をなで下ろした。
その家族連れのお父さんに「どちらからですか?」と聞くと
「北広島です。」とのことで御近所さんだった。
そこの家族となんやかんやと会話をし、お子様が気をとられてる
スキにこの場を離れることにした。しかも、ここではアブラコしか釣れない
ので場所を移すことにした。
釣れたアブラコは6匹。こんなにあっても一人じゃ食えない。ましてや、
冷蔵庫もないキャンプ生活だ。
なので、この家族に5匹あげることにした。お父さんに聞いたところ
「え?もらえるんですか?うちも自炊するんでもらえるんだったら。
もらいます。」
と言ってくれたので、とりあえず5匹を渡し、その場を去った。
そして、あのお子様はまだ釣りに夢中であった。
ああ、夢にでそうだ。このいまいましい、お子様が!
嗚呼、「ガキ地獄」
8月2日 EPISODE4: 追撃
場所を移動し、フェリーが着くすぐ側でやることにした。
お子様がいないので優雅な気分だった。移動する際に買ってきた飲み物を片手に
のんびり釣りを楽しんだ。
SHOT4:沓形港フェリーターミナル、そして。。。
正午近かったので当たりがあまりなかった。しかし、当たり始めると止まらなくなった。
あげてみると、型の小さいガヤ、ソイばかりである。
ほとんど、リリースし、炎天下、ボーッとしていた。
すると。。。。。。。。
「おっちゃぁぁ~~~~ん!釣れたかぁ~~~!!!!」
はっ?!
俺は振り返った。
あ”~~~~~~、あのお子様だぁ!!!! た~~すけてぇ~~~~~!!
あのお子様が追撃して来やがった。そして、またもや、
「おっちゃん、なに釣れた?」
「どのくらいだ?」
「なんの魚だ??」
・
・
・
面倒なので、
「なんにもつれねぇ!!駄目だ。」
と言ってやったが、
「今度つれたら、俺が魚を袋にいれてやる。」
とのたまったので
「おっちゃん、やっぱ帰るわ。つれねぇし。」
と言うとお子様はすぐに戻っていった。
「ったく、いままで会った中で、 最強のお子様だ。ふぅ。」
と思いながら、沓形港を去ることにした。
もうたくさんだ!お子様の「追撃」
8月2日 EPISODE5: ブラックヘッド
今日の釣り予定はPM3:30位で切り上げる予定である。しかし、沓形港を後に
したのがPM2:30頃。まだ、時間はある。沓形港から、ベースのある鴛泊方面へ
のんびりと走っていると、さびれた小さな漁港が目に留まった。
そこの入口には「新湊漁港」と書いてあった。「よし、ここを今日のラストにしよう。」
と考え、漁港に入っていった。陸に揚げられている船の脇を単車ですり抜け
ながら、赤灯台がある堤防の所まで行った。そこで、単車を降り道具を
持って堤防の先端へと向かった。
SHOT5:利尻富士と新湊漁港、そして。。。
そこで竿を2本使い、投げてみた。すると、いきなり、そのうちの一本に当たりが来た。
「面倒くせぇ、しばらくほっとこう。」と思い、そのままにしていた。
しばらくして竿を上げてみると、25cm位のアブラコ1匹と小型のアブラコ2匹の計3匹が
ヒットしていた。「また、アブラコだ。。。」と思い、すべてリリースした。
気がつくと、かなり波が高くなってきていた。波は堤防に打ちつけられ、白いしぶきを
あげていた。海面がかなり盛り上がってこちらに向かってくる。
なんとなく殺気を感じていた。
しかし、それを気にせず再度投げてみた。さらに波が高くなってきており、物凄い殺気を
感じた。
「やべ、このままここにいたら飲み込まれる。」
と思い 漁港の内側へと避難することにした。そこは波がほとんどないので、そこで改めて
竿を2本出した。
すると、かなりの当たりが来た。引きが強い。
「おっしゃ、来たぁ!」
と一気に巻き上げたところ、またもや、アブラコ。しかし、30cm位のものだったので、
これはキープすることにした。そうこうするうちに残りの一本にも当たりが来た。
これも当たりが強い。一気に巻き上げると、またもや30cm位のアブラコだ。
とりあえず、これもキープ。
これで今日の晩メシには十分すぎるほどの魚をゲットした。
この2匹はとりあえず、その場で〆ることにした。しかし、〆るといってもド素人の俺が
やることなので、尾の方にナイフを入れたところ切り落してしまった。
「ま、いっか、どうせ後で落すんだし。」
と思い2匹を〆た。
今日の収穫はこれだ!
SHOT6: 本日の食材
とりあえず、今日は「しゅ~~~りょぉぉぉ~~~~お」である。
俺は新湊漁港を後にして、鴛泊の店で、長ねぎと酒を買いキャンプ場へ
戻った。
ちくしょう、それにしても今回の釣りのメインである「クロガシラ」(クロガレイ)が
全然、釣れねえじゃねえか!
どおなってんだこの島は!!
くぅ ~~~ろがしらぁ~~~~~~~~!!!!」
8月2日 EPISODE6: がぁ~~~っつり!
PM4:30頃、利尻北麓野営場に戻ってきた。着いて速攻で釣ってきた魚を
さばいた。でかいアブラコばかりだったので、寄生虫が気になり全て3枚に
おろした。そして、皮を剥ぎ、身と骨に分割した。
寄生虫がいないかと身をよ~~く見てみると、いたいた、いました。寄生虫が。
とりあえず、その部分を切り落とし問題のないところだけを使うことにした。
切り落とした部分を開いてみると。。。なんと、ミミズのような小さな虫が巣くっていた。
いつも、ブツ切りで鍋にぶち込んでいたことを考えると、いくら熱で死んでいるとはいえ
「気持ち悪りぃ。」の一言だ。ああ、3枚におろしといて良かった。
問題のない方の身は更にブツ切りにし、今日の晩メシ用として半分は味噌汁用に
塩をふり、もう半分は醤油と生姜に漬けてみた(やったことないが、やってみた。
チャレンジだ。)。それらをクーラーバックに入れ一先ず保存。後はコッヘルにて
米を磨ぎしばらく浸しておくことにし、2日ぶりの風呂に行くことにした。
風呂は「利尻温泉」である。利尻北麓野営場から単車で約5分程。
中に入ってみると驚いたことに物凄く奇麗である。どうやら2年程前に
できたらしい。広い休憩場や、談話室等が設けられており、昼から来ても
ゆったりできそうだ。といっても俺にはそんな余裕はない。とっとと
入ることにした。
浴場も奇麗でとても清潔な感じがした。 サウナもついている。露天風呂もある。
しかも、入浴料は400円だ。めちゃめちゃ、 御得な温泉である。旅先にこういう
温泉があると、とても嬉しいものである。俺は二日分の汗を洗い流し、湯船で
リラックスした後、浴場から出た。「とりあえずビール。」といきたかったが、
キャンプ場でメシを食いながら飲むことにした。
利尻温泉から、キャンプ場へと戻り、やっとの事で晩メシだ。コッヘルでメシを炊き、
そして、本日のメインであるアブラコの味噌汁を作った。アブラコの味噌汁は、
最初に骨でだしをとり、長ねぎとアブラコをぶち込むというシンプルなものだったが、
外でくっているせいか、結構うまく感じた。
味噌汁の他に醤油と生姜で漬けた刺し身を食らいつつ、ビールを片手に
至福のひとときである。メシも食い終わりテントの中に入ると急に眠気が
襲ってきた。そんな中、外から子供の声が聞こえる。
「お父さぁ~ん、すっごい、星が見えるよぉ~!天の川まで見える!」
と言っていた。俺は「ああ、見なければ」、「でも、眠い。」と心の中で
葛藤していた。まだPM10:00位である。いつもなら、当たり前のように
起きている時間なのだが、相当疲れていた。
なんか、今日もかなり遊んだ気がする。
「眠い、非常に眠い。あ~~~もう!」
「が ~~~っつり、ね、む、Zzzzzz~~~~~~~~」
また、気を失うようにして眠ってしまった。