トレッキング 屋久島

屋久島トレッキング紀行 GW その2

更新日:

4月29日 縄文杉単独アタック

4月29日 宮之浦の朝1

AM3:30に目覚ましをセットしたにもかかわらず、AM2:00過ぎに目が覚めた。
さすがにPM9:30に寝ると、そうなるのは当たり前かと思いつつ、
もう一度寝ようと、布団の中でうだうだしていたら、あっつーまにこんな時間。
(つか、あんまし早く寝ると、昼寝と同じ感覚になっちゃって、
そんなに長くは寝てられないようである。というか歳のせい?笑)

※こちらの記事は以前運営していたサイトにて2009年に作成したものを再アップしております。
 現在の状況とは異なる内容も含まれているとは思いますが、旅のご参考にしていただければ幸いです。

しょうがないので、歯磨き・洗顔の後、朝っぱらからストレッチをはじめた、
来るべきアタックに備えて、時間ぎりぎりまでストレッチを入念にこなし、
予約していた弁当が玄関に用意されていたのでザックに詰め、
宮之浦バス停に向かった。

金星が輝く夜空を眺めながら、宮之浦バス停に出発時刻の5分くらい前に到着。
私以外にも数人、バスを待っていた。

ん〜、それにしても、さすがに、早朝は寒い。

眠い目を擦りつつバスを待つ。

4月29日 宮之浦→荒川登山口

少々遅れてバスが来た。バスに乗り込み、まもなく発車。
目的地の荒川登山口に向かって、順々にバス停で登山客を
拾ってすすむ。

1時間30分ほどで荒川登山口に到着。到着後、朝食のおにぎり弁当を
半分だけほおばる。

4月29日 荒川登山口→小杉谷集落跡

軽く朝食をすませ、準備運動をし、いよいよアタック開始!
(ここからは、ただひたすら、淡々と縄文杉を目指しての
トレッキングなので、多少なりとも雰囲気を味わっていただくべく、
写真多めですすめますね。)

開始時の標高は565m。マップには600mと書かれているので、
30m程度の誤差あり。ん〜、さすが、10年もののプロトレック。(笑)

荒川登山口からトロッコの線路にそって歩きはじめ、まずは、
小杉谷集落跡に向かって、ひたすら淡々とすすむ。
(雨=屋久島なはずが、うれしいことに、快晴です。超ラッキーです。)

歩きはじめて、間もないころ、最初の鉄橋が現れる。
ガイド本には高所恐怖症の方にはつらいかも。と書かれていたので、
相当高いところなのかと思いきや、思っていたよりも低かった。

橋を渡るとすぐにトンネルをくぐる。
(何度か撮ったが、ピンボケしまくり。さすがにオートじゃ無理みたい。)

周りの景色を楽しみつつ、淡々とすすむ。
(つか、トロッコの線路って、すっげぇ〜歩きづらいんすけど。
枕木の間隔と歩幅が全く合わなくって、まじで歩きづらい。)

しばらく歩いていると、へんな植物を発見。

なんか、毒々しい上に、すっげ、スネーキーな感じ。

このスネーキーな植物はなんなんだろうか?と思い撮影してみた。

あとでわかったのだが、「マムシグサ」というらしい。
どうりで、スネーキーなわけである。
(つか、この「マムシグサ」って、前に上高地トレッキングの際に見た
実っこだらけの「マムシグサ」の通常形態(花?)だということが、
更にあとになってわかった。)

そして、また、ひたすら淡々と進む。


[耳を澄ませば]
※↑このリンクを押すと音声ファイルが再生されます。(動画の代わりに楽しんでください。)

小杉谷集落跡手前にある小杉谷橋を渡る。

この辺りから、トロッコの線路の真ん中の部分に板が敷かれた木道となり、
急に歩きやすくなる。(枕木だけにくらべて、めっちゃくちゃ歩きやすいです。
ほんと、ぜんぜん、違いますよ。ナイス木道!)

小杉谷集落跡にある小杉谷小・中学校跡

そして、すぐ先にある小杉谷休憩舎にて最初の休憩をとる。
ここで先ほど半分残していた朝食のおにぎり弁当の残りを完食。

この小杉谷休憩舎の屋根につかわれているような杉の平板が、昔は年貢として
収められていたとのこと。(と、どこかのガイドさんが説明していました。笑)

で、ここには湧き水の水場もあり、ザックに仕込んであったハイドレーションパックに
水を入れ、セット完了。ここから先はペットボトルじゃなく、チューブをチュウチュウしながら
縄文杉をめざす。(今回はハイドレーションシステムの本領発揮できそうなヨ・カ・ン。笑)

【ここまでの道のり】 荒川登山口→小杉谷集落跡
区間距離: 2.6km  総距離: 2.6km
区間時間: 40分    総時間: 40分(※歩行時間のみです。以降同様。)

(ここにはトイレはないですが、少し進むとバイオトイレといわれる簡易トイレが
設置されていますので、そこを利用すると良いでしょう。)

4月29日 小杉谷集落跡→楠川分れ

小杉谷集落跡を背に、さらにひたすら淡々と木道をすすむ。

小杉谷集落跡から楠川分れまでの間は景色に大きな変化もなく、
ただ淡々と歩いてきた。

【ここまでの道のり】 小杉谷集落跡→楠川分れ
区間距離: 1.8km  総距離: 4.4km
区間時間: 30分    総時間: 70分

4月29日 楠川分れ→大株歩道入口

楠川分れからスグの場所に三代杉が現れる。

三代杉とは

一代目が約2000年で倒れ、その上に発芽した二代目の樹木が
約1000年で江戸時代に伐採されたと考えられてる。更に切り株の上に
発芽した三代目が樹齢数百年になっている杉。三世代に渡る命の引継ぎ。
屋久杉の世代交代の仕組みを示す好例とのこと。

ちなみに倒木の上に新たに発芽した木が育つことを「倒木更新」といい、
伐採された木の上に新たに発芽した木が育つことを「切株更新」というらしい。

ということでこの三代杉は、倒木した気に倒木更新した木が育ち、
それが伐採された切株に切株更新した木が育っているということらしい。
(つか、逆に、すっげ、わかりずれっす。笑)

以上が三代杉である。

三代杉を背にして、時折、変わった風景を見ながら、
さらにひたすら地味ぃ〜〜〜に木道をすすむ。

人が倒れている風の倒木があったので思わず撮影。

「あ”〜、の〜みすぎたぁ〜〜〜。うぇっぷ。母ちゃん、水ぅ〜〜!」(笑)

しばらく歩くと、「正面に見える山がが石塚山です。」と書かれた看板が
でてきたので、とりあえず、石塚山を撮影。
(ヘッドから、なんか出てます。)

さらに淡々と歩いていると、、、、、、

「こんにちわ〜〜。ぼく、アンポンタン。」 が現れる(謎)

この顔、「愛嬌があって、かわいい奴だぜ!」と思ったが、横にまわってみたら。。。。

なんか、以外とグロくねっすか?サンドワームっすよね。これ。
(つか、サンドワームを知らない方は、映画「砂の惑星デューン」を
観てみることをおすすめします。ちなみに、村上ショージの「でゅーん!」
とは違いますので御注意願います。)

屋久島の森のあちこちに苔(こけ)が育っています。
この日は晴れていた成果、湿り気がなく、じゅうたんのように乾いてふかふか
していました。

少し歩くと、仁王杉(阿形)の看板とともに、仁王杉が現れる。

仁王杉とは

この杉に関しては説明、ガイド本には載っていない杉で、この場ではよくわからず、
あとで調べてみたところ、その名の通り、寺門の左右に立つ「仁王像」が由来で、
かつては並ぶように、対となるもう一本の屋久杉が立っていたとのこと。

仁王像は「阿形(あぎょう・口を開いた方の像)」「吽形(うんぎょう・口を閉じた方の像)」の
2体があるが、吽形は数年前に倒れてしまい、今は倒木となっているようである。

阿形と呼ばれる口が開いたほうの仁王を思わせる風貌。

で、この杉を撮影しようとしていたところ、私の前に着いていた
おばちゃんと学生風の若者達がワイワイ、ガヤガヤと盛り上がっていた。

どうやら、このおばちゃんは屋久島の住人とのことであり、
おばちゃんが、学生たちに

「あんたたち、もう屋久島にくることはあんまりないんだから、
あの木の横にいってみなさい。おばちゃん、写真とってあげるから!」

と次々と仁王杉の横にならんだ彼らを撮影していた。

わたしは、おばちゃんの優しさに微笑ましくなり、ニヤニヤしつつ、
仁王杉を一枚とるために、その一連の撮影会が終わるのを待っていた。

すると、おばちゃんが、

「あんたも、とってあげるから、行って来なさい。」

と、おばちゃんが声を掛けてくれた。

「え?いいんですか?ほんとに?」

と、私。で、おばちゃんは、

「いいよ、いいよ。行って来なさい。めったにないんだから。」

と言ってくれた。ちょっと迷いつつも、屋久島住人のおばちゃんが
言ってくれてることだし、せっかくだからと思い、仁王杉の横に向かって
入っていった。

仁王杉に向かう途中、なぜだか、倒木の枝にブッチャーの地獄突き張りの
突きをノド元に入れられた。

なんか、嫌な予感はしたが、そのまま進んで仁王杉の横で撮影してもらった。

撮影後、道に戻ったら、いきなりガイドさん風のおっちゃんに(たぶんガイドさん)
呼び止められ、

「あのですねぇ〜、登山道から外れるのはルール違反ですから。ダメです!」

と、わけもわからないまま怒られていた私。
わけがわからないながらも、「あっ、すみません。ごめんなさい!」と謝り、
カメラをあずけていたおばちゃんのところに戻ると、、、、

おばちゃんの第一声
「ごめぇ〜〜〜ん、おばちゃん、しらなかったのよぉ〜〜〜〜!
あはははは〜」(笑)

「って、おばちゃ〜〜〜ん!しらなかったんすかぁ〜〜〜〜!」(笑)
 と心で思ったが、おばちゃんの優しさと笑顔が、あまりにも素敵すぎて、

 「いえいえ、気がつかなかった僕がわるいんです。勉強になりました。」(笑)

という言葉とともに、撮っていただいた御礼をいい、気を取り直して
誰もいない仁王杉を一枚撮影。そして、再び進み始めた。
(普通に考えると、登山道から外れちゃだめなんですよね。
勢いにまかせて行ってしまった自分をとても反省しました。
つか、いい年こいたおっさんが、さらにいい年こいたおっさんに
怒られている姿。まるで、会社の上司と部下ですね。
ん〜、屋久島の森で社会の縮図を感じた出来事でした。笑)

さて、そんなこんなありつつも、遠い遠い縄文杉に向かって淡々と
歩くしかないので、景色の変化をさがしながら歩いていると、
「正面に見える山が翁岳(おきなだけ)です。」の看板が現れたので撮影。
(宮之浦岳の登山コースで通過する山らしいですが、本格的登山には縁のない
私には遠くから眺めるだけで満足です。はい。)

そして、やっとのことで、大株歩道入り口手前に到着。

「いやぁ〜、結構な距離歩いたなぁ〜。すっげ疲れた。」ってな感じで
小杉谷集落跡につづき2度目の休憩をとることにした。
(ここには湧き水の水場とトイレがあります。)

【ここまでの道のり】 楠川分れ→大株歩道入り口
区間距離: 3.8km  総距離: 8.2km
区間時間: 70分    総時間: 140分

木道がほとんどとはいえ、結構な距離を歩いてきたので、
軽く膝に来た感が見え隠れ。

しかし、距離的には8割がたは進んできていたので

「ふぅ〜〜、もうちょっとかな。結構きたな〜。」

と思って余裕ぶちかましてたら、近くにいた団体のガイドさん曰く

「え〜と、ここままでがウォーミングアップで、ここからが本番です。
みなさん、がんばりましょう!」

と言う聞いてはいけない言葉を聞いてしまった。(笑)

本番に備えて、水場で新しい水に組みなおし、トイレをすませて、しばし休憩。

4月29日 大株歩道入口→翁杉

なんやかんやでアタック開始から3時間弱を費やした。
荒川登山口との高度差は+300m。

「ん?、なんか、思ってたより、登ってきた高低差が少なくないっすか?」

と思い、マップを見て縄文杉の高度を確認。
(ほとんど下調べしていないのがバレバレっすね。笑)

 「え〜と、縄文杉が約1300mで、ここが約900m。
あと残りは400mだよね。で、片道5時間のうち3時間は費やしているので、
残り2時間で400m上るってことは。。。。。。。ん?」

そうです、そうなんです。明らかにのぼりが急になるんです。はい。
そして、残り2時間といっても、昼食時間も含めると1時間ちょっとで
400mを登るので、ここまでとは違ったスポ根もののニオイがしてきました。

「よっしゃ! いくぜ!」  と思い気合をいれて、
入り口から登りはじめると、いきなりやる気をそいでくれる急な傾斜がつづく(笑)

やる気をそいでくれるほどの傾斜は最初の数百メートルで終わるが、
途中でゼェゼェ、ハァハァと息切れしつつ、太ももパンパンでちょっと立ち止まる。
(相変わらず登りでプルプルになったため、全然ピントが合ってない。笑)

で、そこから先はそこそこの傾斜となるが、木道ほど楽ではない。


少し進むと翁杉(おきなすぎ)が現れる。

この時点で汗が吹き出て止まらなくなっていたので、
着ていたウィンドブレーカーを脱ぎ、少々休憩。
(疲れがでてきていたせいなのか、なぜか頭の中に
「おすぎでぇす!」 (リアルな”おすぎ”の声で)
  がループしはじめる。なぜだろう、
きなすぎおすぎ だからなのかっ??
って、んなこと知るか!っすよね。すみません。笑)

4月29日 翁杉→ウィルソン株

おすぎ もとい! おきなすぎから先は足場の良い木道風に整備されており
そこを登ってウィルソン株に向かう。(以下は振り返って来た道を撮影。)

翁杉から数分で、かの有名なウィルソン株に到着!!
(私の中で、愛称を「チャック」に決定。古すぎて誰もわからないと思うけど。笑)

そして、ここがチャックの入り口。中に入ることができる。

チャックの中には小さな祠(ほこら)が設けられている。

チャックの中は空洞となっており、中からは空を見上げることができる。

(あ〜、チャックで結構引っ張ったなぁ〜。そろそろこの辺にしておきます。笑)

【ここまでの道のり】 大株歩道入口→ウィルソン株
区間距離: 0.6km  総距離: 8.8km
区間時間: 30分    総時間: 170分

ん〜、この区間、距離のわりに時間がかかった。つか、膝が笑いはじめていたので
ここで少し休憩をした。(なぜかわかりませんが、このウィルソン株の周辺が、
非常に落ち着く空間でした。自分だけかもしれませんが、他の場所とちょっと
感覚が違いました。と思っていたら、通りすがりの女性も同じようなことを
一緒にいた友人に話しているのが聞こえました。パワースポットですかね?笑)

4月29日 ウィルソン株→大王杉

ウィルソン株を背に再び進み始めるが、ひきつづき、
膝クラッシャー&太ももキラーな道がひたすら続く。
(普段、あまり運動をしていないおっさんには結構キツイ。
この辺りから体のあちこちが悲鳴を通り越して笑いはじめる。)

そしてまた、ゼェゼェ、ハァハァし始めたので、ちょっと立ち止まり、高度を確認。
大株歩道入口から高低差+200m、時間にして1時間弱。
あと200mで縄文杉に合えると思うと、かなり、やる気がでてくる。

ぐにょぐにょな奴や、つるっつるの奴に励まされながら、
縄文杉をめざして、地道にすすむ。

そして、巨大な大王杉があらわれた!

大王杉とは

樹齢3000年の巨大な屋久杉で、縄文杉が見つかるまでは
屋久島最大といわれていた杉

【ここまでの道のり】 ウィルソン株→大王杉
区間距離: 1.0km  総距離: 9.8km
区間時間: 40分    総時間: 210分

大株歩道入口から縄文杉までの工程の2/3をクリア。
残るは、あと1/3のみ! ますますやる気が出てきた!
(といいつつ、ガックガクになってきた足腰を少し休ませるために
ここでちょっとだけ休憩。そして、またもや、ここでも、あの声が。。。。
「おすぎでぇす!」 (リアルな”おすぎ”の声で)
  がループしはじめる。なぜだろう、
だいすぎおすぎ だからなのかっ??
って、そろそろ理由付けに相当無理がでできた。笑)

4月29日 大王杉→夫婦杉

やる気全開で大おすぎを後にし、ガシガシすすむ!

すると途中に夫婦杉(めおとすぎ)があらわれる。

夫婦杉とは

3〜4mの間を開けて立った大小2本の屋久杉が、
幹の中程で夫婦の絆のように太い枝でしっかりと繋がれており、
その姿は、まるで手をつないでいるかのよう。樹齢は2000年。

夫婦杉の奥の方に、ちらちらと見え隠れしている女性をかたどった石像のような
ものが気になったので、ズームで撮影してみると枯れ木であった。

たとえ、枯れ木であれ、私の目には、とてもやわらかで神々しい姿に見えた。

4月29日 夫婦杉→縄文杉

「あと一息で縄文杉にあえる。」

そう自分に言い聞かせて、ワクワクしながら、先にすすむ。
縄文杉まであとわずか、最後のカウントをはじめた!

「さあ、来い!」

 「イーーーーチ!」


「さあ、来い!」

「ニィーーーーーーー!!」

 「さあ、来い!」

「サァーーーーーーーーーン!!!」

「げんきですかぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」
(って、それアントニオだよ!カウントの仕方間違ってるよ!、俺!)

どうやら、カウントの仕方をまちがえていたようなので、
気を取り直して、カウントダウン開始ぃ〜!!!

「スリー!!!」

「ツー!!!」

縄文杉までもうスグだ! 来るぞ、来るぞぉ〜〜〜!

「ワン!!!」

そ〜れ、それ、それぇ〜〜〜! 来るぞ、来るぞ、来るぞぉ〜〜〜〜〜。

「ゼロー!!!!!」

 会いたかったぜぇ〜〜!!

縄文杉〜〜〜〜!!!


はじめまして。縄文杉さま。

わたくし、あなたに会うために、はるばるやってまいりました。
こんな晴天の下、あなたに会えたことに感謝しております。
とても、とても、嬉しいです。
そして、とても、とても、ハッピーです。

ありがとうございます。

という気持ちが自然に湧き上がりました。

ほんと、晴れてて良かったです。

1年に366日雨が降るといわれる屋久島で、
青空の下、縄文杉に会えるなんて思っていませんでしたので、
相当ラッキーだったと思います。

ふとした思いつきで屋久島に来ましたが、やはり、
呼ばれてきたようです。本当に、来て良かった。

なんてことをいろいろと考えつつ、しばらく縄文杉の前で、
達成感に浸るひとときを過ごさせていただきました。

ただ、縄文杉を見るにはデッキ越しからでしか見ることができず、
触れることができなかったのが残念でしたが、自然を壊さないようにとの
配慮なので、それは当然のこと。見ることができただけでも感謝です。

そして、縄文杉との別れを惜しみつつ、その場を去りました。

ありがとう、縄文杉。

 【ここまでの道のり】
区間距離: 0.9km  総距離: 10.8km
区間時間: 30分    総時間: 240分(歩行時間)
高度: 1310m  高低差: 700m
気温: 22℃    天気  : 快晴

4月29日 そして、ただひたすら・・・

さて、やっとのことで縄文杉にも会え、そしてしばしの縄文杉との対話の後、
縄文杉から少し奥に行った場所にある休憩所に向かい、宿にお願いした
登山弁当を広げ、昼食をとることにした。(ちょうど12:00くらいになってました。)

昼食をとっていて気づいたが、さすがに体が相当疲れていたようで、
ごはんが中々ノドを通っていかない。しかも、この弁当、おにぎりが3個も。。。。
そして、意外と脂物が多いおかず。。。。

残すのがもったいないので、全部たいらげたが、かなり詰め込んだ感があり、
一杯一杯である。
(つか、人間って、疲れ果てると食欲が失せるものなんすね。
日帰り縄文杉の昼食はもっと少ない量の弁当で十分だとおもいました。
だって、疲れすぎて、体が食べ物を受け付けないんですもん。)

昼食を終え、トイレに行こうと思い、少し登ったところにある高塚小屋に
向かったがトイレが激混み。ほとんど汗で水分が出てしまっていた私は
我慢できるレベルだったので、すぐに引き返し、一気に下山することにした。

で、ふと、思ったのだが、

「最終目的である縄文杉に会った今、
なにを楽しみに帰ればいいのだろう・・・
しかも、同じ道を戻るだけ・・・・」

と、テンションが急に落ち始める。
(先日の夜に宿で、縄文杉に会ってきた方々が言っていた
「帰りがね。。。。。」と言っていた意味がようやくわかった。
まじで、抜け殻です。笑)

抜け殻のまま下るにしても、少しでもテンションがあがるように、
「変わったものを無理やりさがしてみる。」というルールを勝手に
自分に課した私。

ここから先は、無理やり探した変わったもの(=たいしたことのないもの)
を見つつ、一気に下る。(帰りの工程は相当はしょります。はい。笑)

ん〜、さっきと逆から見た景色だぁ〜。  たいしたことなぁ〜い。

ん〜、ミッキー風。(安川?吉野?)  たいしたことなぁ〜〜い。

「う、うまれるぅ〜〜〜〜〜!!!!」   これは、けっこう、おもしろぉ〜〜い。

と、無理やり変わったものを探しつつ一気に大株歩道入口まで下ってきた。

ここで一旦、トイレ休憩。(急な下りを一気に下ってきたので、膝がガックガク、
ウッキャウキャの大爆笑です。それでも、私の場合、秘密兵器のトレッキングポール
2本を使用しての下りだったので、かなり、マシなのかもしれません。特に、体重が
重い私には欠かせない相棒となっており、ヘタレだと言われようが、
なんと思われようが、ポールは必須アイテムだと私は思います!!
1本でもいいから持っておくべきです!)

大株歩道入口付近で休憩した後、バス停のある荒川登山口に向かって、
木道&トロッコレールを8.2kmを2時間ほどかけて歩かなければならない。。。。
目的を達成して疲労困憊の私には、長い。ながすぎて、笑いがこみ上げる。

しょうがないので、かなり、ダラァ〜〜〜〜っとしながら、ひたすら、
ただ、ひたすら、あ、ただ、ひたすら、歩き続ける。

朝から、なんどもみている鹿を、また、なんども見つつ

朝から何度も見ている線路を、じぃ〜〜〜っと見ながら歩きつつ
(なっがい。まだ、あんのかと思うと、さらに、なっがい。笑)

とにかく、いままでに撮影していないものを探しつつ、
後ろから颯爽と近づいてくる団体を先に進ませるために立ち止まりつつ、
花なんかを撮影しているフリしちゃったりなんかする
(なっがい。とにかく、ながい。そして、足の裏がめちゃくちゃ痛い。。
体だけ前にすすみ、気持ちは後ろにすすむ私。笑)

まるで今の自分を表しているかような、スクラップトロッコを横目でみつつ
「俺はスクラップじゃない。スクラップじゃないよぉ〜。」
と自分で自分を励ましつつ

ダラッダラのグッダグダで、ひたすら歩き続けて、
やっとのことで、荒川登山口にとうちゃぁ〜〜〜〜く!!

 お疲れさま! 俺!

朝、同じ場所で時計を確認したのが6:23。そして、到着したのが16:13。
あちこちで立ち止まりながら写真を撮りつつ、休憩しつつだったこともあり、
トータルでは予定どおり10時間かかった。

なんつーか、達成感というよりも、この時点では安心感というべき安堵の心
というのが実際のところ。
(ぶっちゃけ、
「やっと帰れるぅ〜〜〜、あぁ〜〜、酒のみてぇ〜〜〜〜〜〜!!!!」
  という心の叫びがとまりませんでした。笑)

【ここまでの道のり】
区間距離: 10.8km 総距離: 21.6km
区間時間: 210分   総時間: 450分(歩行時間)

荒川登山口に到着してすぐに、ストレッチをし、パンパンになった各所の
筋肉をゆっくりと伸ばした後、少しの間、靴紐を緩め、腰を降ろして、
バスがくる4:30まで、しばし休憩。
(立とうとしたら、ちょっと腰に違和感があり、ギックリいくかと思いました。
膝と足首痛のオマケもつき、1mmもハンパなくガタが来ていました。笑)

 よくやった、俺!
そして、
ありがとう、大自然!

4月29日 荒川登山口→宮之浦

ギックリ寸前の腰、大爆笑している膝、そして、キャラが定まらない足首(謎)を
引きずりながら、バスに乗り込んだ私。

ラッキーなことに2席1名使用の状態だったので、バスの中でも
ストレッチはつづく。(2,3回、ギクっといきそうな感覚炸裂。
そぉ〜〜っと、そぉ〜〜〜〜〜〜っと、のばしのばししてました。笑)

そんなこんなで、バスに揺られつつ、「縄文杉に会えたらメール送ってくれ。」
と言っていた仲間たちに縄文杉の写メを送り、オイラのミッションはコンプリート。

ガッタガタの体を引きずりながら、宮之浦バス停で下車。
そして、いつもの半分の歩行速度で宿に戻った。

4月29日 宮之浦の夜2

宿に戻り、速攻風呂に入り、ちょっとだけ、部屋で休憩をとっていたら、
夕食の時間になった。
(ガッタガタの体に、あたたかいお風呂は、あ〜もう、最高でした!)

早速、食堂に向かい夕食をいただくことにした。
しかも、今日は自分への御褒美ということで、ビンビール1本を注文。

最初の一杯が、ヤバいくらいにうまい。うますぎる。
ビール飲みつつ夕食を食べ始める。

今日のおかずは、ほぼ昨日と同様だったが、おかみさんが「亀の手」の味噌汁を
出してくれた。あまりにも食べることに専念してしまったため、撮影を忘れたが、
見た目がおもいっきり、亀の手そのもの。(詳しくはネットで検索を。笑)

この「亀の手」というのは、貝の一種らしく、見た目はグロいが、
めっちゃくちゃダシがでるようで、味噌汁がすっげぇ〜、うまい、うますぎる!
「疲れた体にしみるぜ〜。」と思いつつ、貝の身もいただく。

てな感じで、一人黙々と夕食を食べていたら、私と同様、おひとり様で
来ていた女性の方が入ってきて合席となる。
(屋久島は一人旅の女性の方が、たくさん来られているようです。
女性一人で縄文杉アタックしている方をなんどか見かけました。
かっこいいですよね。女性の一人旅って。尊敬しますです。はい。)

で、その方に、おかみさんが、「ビールいりますか?」の問いに、

その方いわく、「缶ビールで少なめのものはないですか?」

すかさず、おかみさんが、「ビンビールしかないんですよぉ。」の回答。

そこにビンビールを頼んで酔っ払っていた私が割って入る。(笑)
「よければ、一杯飲みますか?」

その方いわく、「明日、縄文杉に登るんで、やっぱり、やめときます。」
 (やはり、みなさん、縄文杉アタック前日はアルコールを封印するんですね。笑)

で、今日アタックをすませた私は
「僕、今日行ってきたんですよ。縄文杉。体がガッタガタですけどね。笑」

と、そんな会話をしつつ、その方と少し情報交換しながら夕食をいただく。
いろいろとお話してみると、私より1日後ではあるけども、3日間の行動がまったく
同じパタンだということが判明。どうやら、今回私が勝手に決めたパタンは王道らしい。
(食堂にいた他の方々も大半がほぼ同じコースのようでした。おかげさまで、
私より1日先に入っていた男性二人から縄文杉も白谷雲水峡の情報も聞けました。)

で、その方いわく、
「明日、縄文杉をみたあと、翌日、白谷雲水峡で太鼓岩までいこうと思ってるんですよ。」

と言っていたが(白谷雲水峡=もののけ姫の舞台のベースとなった場所)、
私も同じく、縄文杉の翌日、つまり、明日は白谷雲水峡にいく予定をたてていた。

しかし、縄文杉アタックでボロッボロになっていた私は
「私の場合、ガッタガタなので、太鼓岩までは無理かもですねぇ。
つか、白谷雲水峡に行くのも、どうしようかと思ってます。笑」
 と、ヘタレ全開の回答。(つか、あまりのボロボロさ加減に、翌日、朝からまったりと
釣りでもしようかと思っちゃったくらいなので、相当、やる気無しでした。笑)

食事を終えて部屋に戻ろうとしていたその方に
「明日は、おいしいお酒が飲めるといいですね。がんばってきてださい!」
と言うと、
「はい、がんばってきます!」
 ってな感じで情報交換終了し、まもなく、私も部屋に戻った。
(こういうなにげない情報交換も旅ならではの醍醐味です。
なんか、こういうやりとりって、バイクのロングツーリングしていた頃を
思い出して、懐かしくなっちゃいました。)

と、今日のイベントはこれにてしゅうりょぉ〜〜〜〜!
みたいになるかと思いきや、湧き上がる好奇心が私を
引き止める。

屋久島は鹿児島県。鹿児島県といえば芋焼酎。
で、屋久島の焼酎といえば「三岳」

ということで、夕食を終えたあと、せっかくなので、ふらぁ〜っと、
近所の居酒屋にかるぅ〜〜〜く一杯、焼酎をのみに行った。

夕食をたくさんいただいたので、一品料理と芋焼酎一杯
でしたが、やっと、本場の焼酎を飲めたので満足して
宿に戻りました。(つか、あまりにも疲れすぎていて、
それ以上飲むとトリップする可能性あったし。笑)

部屋に戻って横になったと思ったら、あっという間に、
記憶喪失。

充実した長い長い一日でした。

感謝

 

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